- 2011-10-08 (土) 3:59
- 経済
東京駅近くの雑居ビルにある税理士事務所に、泥棒が入ったという。いったい何を盗まれたのだろうか。気になった僕は、税理士事務所の所長に聞いてみた。しかし、盗まれたものは何もないのだという。デスクの引き出しはすべて開けられ、中に入っていたものは、床に散乱していたらしい。本棚に収納されていた本や書類も、事務所中にばら撒かれていたそうだ。不思議なことに、冷蔵庫までもドアが開けっ放しにされていたという話である。
東京駅近くの雑居ビルには、以前からビル荒らしの噂があった。「ビル荒らし」とは、ビルを専門に盗みを働く泥棒のことである。だから、税理士事務所の所長が、事務所の惨憺たる様子を目の当たりにしたとき、すぐさまビル荒らしの仕業だと思い、警察に電話を入れた。その後、荒らされた事務所内を少しずつ整理していくうちに、何も盗まれていないことが判明したのだ。しかし、事務所の中が荒らされていたことは事実なので、警察も一応は調べてくれたようだ。
けれど、防犯カメラには犯人らしき姿は写っておらず、税理士事務所内には犯人のものらしき証拠も残っていなかった。僕は、所長の話を聞きながら、不思議なこともあるのものだなと思った。何も盗まずに姿を消す泥棒など、聞いたことがない。しかしそれから数日後、犯人が判明した。犯人は、東京に住んでいる所長の奥さんだった。所長に愛人がいたことが最近発覚し、腹を立てた奥さんが所長を困らせるために行ったイタズラだったらしい。
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